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DX東寺

劇場の数だけ舞台があり、舞台の数だけドラマがあり、香盤の数だけ人生がある。

かくして今日はDXデラックス東寺へ行くことを決意する。京都が誇る、日本一入場料が高いという、ストリップへ。

DX東寺という名前で近鉄東寺駅から向かったけれど、京都駅から行っても問題ない距離。変に乗り換えるより、新快速で京都駅から行けば良かったかも知れない。

京都駅は京都のハズレ、繁華街ではない、京らしい住宅が立ち並ぶ中に、ポツンと佇むようにある劇場、それがDX東寺である。

いよいよ近づいてくると、前でタバコを吹かすおっさんが居る。始まる前に時間を潰しているのかと思って前まで来ると、(早朝割引の)五千円、とだけ声を掛けられる。まさかとは思ったが関係者、しかも店員だった。

開始まで少し時間があるので、劇場内をさらっと見回してから席に着く。なかなか天井が高い。盆が二枚あって、前の盆が大きいという特徴がある。なかなかの老朽化で、ステージのそこら中をビニールテープで補修している。

コンビニで買って来たビールを飲む。始まる前に空けてしまいそう。もう一缶買ってきたら良かった。自販機でも売っているのを先程確認したけれど結構なインフレ具合。まあ買うけど。

さていよいよ始まる。最初にアナウンスが流れる。「公演に先立ちましてぇ、ひとことぉ、ふたことぉ、申し上げます」。一言じゃないのかよと、何となく面白い。でもこの手のアナウンスはA級小倉が一番格好いゝよね。何と云っても「自信と確信を持ってお送りする」のだから。

本日の香盤は、西園寺瞳、秋月穂乃果、小春、桃瀬れな、矢沢ようこ、の順である。

西園寺瞳嬢の舞が始まる。美しい。服の間から見えそうで見えないおっぱい。いや見えるぞと興奮する。当然に後で裸になるのに、ふと見える胸元、乳頭、衣装から透ける足のラインに見惚れる。それを最大限に活かした所作。なるほど後で知ったがもうすぐデビュー十六周年、なかなかのベテランらしい。見た目からでは意外だったが、その舞を見れば納得か。

続いて我らが秋月穂乃果嬢。ぽにょ。やはり東洋ショーでは味わえぬ、天井の高さを生かしたエアリアルティシューが絶品である。穂乃果嬢は動きがコミカルで面白い。そしてエアリアルが素晴らしいのである。回転し、落下し、天に飛翔する。うん、これを目当てに京都まで来た甲斐があったというもの。

ポラ撮影では親子で来たとのたまう二人組。マヂか!? それはそうと、素っ裸でポラを片付ける姿が、リアルでいゝ。個人的にこういうシーンを見るのが好き。

オープンショーでは創聖のアクエリオンでノリノリに。こゝでもエアリアルを披露。凝った丸見えな感じで、或いはブランコのように大きく回転させて。脚立を片付けつゝ見せられるオメコ。思わず笑みがこぼれてしまえば(思い込みかも知れないが)秋月嬢と目が合ってお互いに笑顔になる。

三番手、小春嬢。B'z祭だな。しかもかなり古い選曲で、たぶん同年代と思わされる。安定した舞、ボリューム感のある肉体。なかなか素敵です。

四番手、桃瀬れな嬢。相変わらず可愛い。れなと野獣。着物姿のレナ嬢も捨てがたいけれど、こういうのも悪くないね。美しい上に、レナ嬢は話が面白い。ポラも大盛況で、オープンショーでは観客に時計を見せてもらって慌てゝ終了。

トリは矢沢ようこ。長身を生かしたダイナミックな舞。レナ嬢の後だと更に背が高く見える。トリを飾るだけあって切れのある動き、ベテランの技。年齢は知らないが、年の功だろう。リボンさんが登場。凄い。オープンショーではリボンが咲き乱れる。華やかにフィナーレを迎える。

二回目、再び西園寺瞳嬢。ブランデンブルク協奏曲に乗せて、森の美女が踊る風景がそこにあった。しかしこの劇場、音量が大き過ぎる。スピーカーの音が割れて、甲高い雑音が出ている。耳が痛い。もう少し音量を下げて欲しい。盆も回転が遅すぎて回っているのかどうかすら分からない程。設備面では流石に褒められない。

次は秋月嬢と小春嬢のチームショー。持ち時間が二倍で魅力も二倍。チームショーを初めて見る。どちらを中心に見ればいゝのか迷う程の充実ぶり。ふと靴の裏の汚れに目が行く。艶やかな衣装、白く綺麗な履物でも底は黒くなっている。そのリアリティに萌えるのは一種のフェチズムであろうか。こゝでポラを一緒に撮ってもらう。千円也。

続いて桃瀬れな嬢。こ、これは、アイドルがテーマであろうか。アイドルよりも可愛い、アイドルよりもダンシング。もう腕を上げて応援してしまうぜよ。これは楽しい。アイドルなのに丸見えなんて、想像もしなかった世界である。

以上で劇場を後にする。凡そ四時間ほど滞在した。スキのない素晴らしい香盤、まさに最強の布陣であった。


制作・著作/香倉外骨  2018/05/03初出
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