トップページ / されど我が詩集

波の花

海の上のあの舟を
眺めていると空しくて
独り旅に出たくなる
人の少ないこの道を
潮風に吹かれて歩み行く

寂しい波音飾る海
夢を乗せつつ華やかに
空に咲かせる波の花

嵐の中のこの舟を
必死につかむ舟乗りに
独り憧れ持つ季節
人を呑み込むあの海を
相手にしたくて歩み行く

空しい人生飾る海
儚い気持ちを素晴らしく
岩に砕ける波の花

香倉外骨(1996/03/05)

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