或阿呆の日記

― 二人の思いが変わらなければ、いつしか人生が開けると、当てもなく信じていた ―


  2021/06/13 23:01 更新  
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六月

十三日

金曜の夕方のことである。

唐突にお偉方の思いつきで月曜朝一の会議に資料を追加することになった。まあ、その資料自体は小一時間で作れる程度の内容なのだが、問題はそれが意図通りか否か。さっと作ってさっと見せると、それ自体は間違っていないが意図通りではないという。いやほれ、それが事実ですからねえ、見せ方を変えろって言われましても。お偉方は退社したものゝ、その儘メールでのやり取りに移行することに。恐るべし現代技術。技術は、発明は、すべからく人を仕事から解放するどころか、常に仕事に縛りつけるすべに成り下がったのであった。

故にその修正がためには休日出勤もやむなしとやむなく判断し、上司に土曜は無理やが日曜であれば何とかすると告げる。月曜の朝一の資料だからなあ、さすがにやむなしだよなあ。

かくして日曜の朝を迎える。どきどきしながら、あゝは言ったものゝ、やはり遠慮して呼び出されることはあるまい、などと高をくゝっておったけれど、そんな希望的観測が当たった試しはなく、案の定電話が掛かってくる。はいはい、行きますよ、そうですね、えゝ、行くって言いましたからね。なるほど土曜にメールが来てましたか。あんたら仕事が好きねえ、ほんと。電話で呼び出されて仕事に向かう。これが本当のテレワークってか。

かくして出勤してみれば、おいおい今日は日曜ですよ、半分ぐらいゝますやん、何だこれ。で何か部長からどうこうと話をしている。部長は本当に家からテレワークで電話してきているらしい。何だそれ。テレワーク推奨ってこういうことなのか? うひゃあ。で指示されたことを始めるが……えっと、これって月曜朝一の資料のことではないやないかい! それやったら今日でなくても良かったんやないかい! そりゃ呼ばれたら行くってゆったけどさ! がちょーん。

帰宅後、東洋に行くのは諦めて家で籠もる。校正をしてみたり、月末インテの印刷をしてみたり。ついでにIIJeSIMを申し込んでみた。そういう意味ではやたらめったら充実した日曜になったという訳で。 [115346] web拍手する

五日

月曜日ぐらいにさ、今週は土日も仕事だ的なことを言われて、結局何をするのかは言わずに、こういう仕事が好きな人には困ったものだ。そりゃ確かにこういう人がいるおかげで仕事が進むってのはあるだろうけれど、それに巻き添えくらう方の身にもなってくれ。というか何するか言ってくれ。言ってくれたら平日深夜になってでもやりきって、何が何でも土日は休んでやるのに。

結局金曜に今やっとかなあかん仕事は片付けたつもりだ。ならば敢えて土日に出るべきかは問わずにさっさと帰ってやる。無断で休んでやる。いや、普通に休みなんやから……確認する方がおかしいやん。

というふうに結局は段取りが付けられなかった。早くに飛行機でも予約していれば良かった。ちょくちょく見ていたが気を逃した。ホテルも取っていなかったので急遽予約し、ならば車で行ってやろうじゃないか。

普通に起きる。洗濯をして、母のデイサービスの用意をして、二日分の薬を準備して、うん、万全。出発である。体力的に早朝出発などという無茶は諦め、健全な時間の出発で東へ向かう。途中、サービスエリアのトイレの掲示にびっくりする。休日割引が適用されませんだと? 緊急事態宣言の影響か。そりゃそうだと思いつつ、当てが外れた。これだったら新幹線でも良かったぐらいと思ってしまった小さい男がここにいます。

ゆっくり来たので渋谷に着いたのが三時過ぎ。とりあえずラーメンでも食うかと駅前を歩き始める。駅前、外出自粛を呼びかける横断幕の前でマスク不要の演説。カオスだな。そして外出自粛を呼びかけるトラックが何台も走っている。世紀末だな。しかし人通りは多い。渋谷恐るべし。人通りに負けずにさっとラーメンを食う。そして道頓堀劇場へと向かう二年ぶりなのにぜんぜん迷わない。ストリップに関する記憶は鮮明である。我ながら恐ろしい。

かくして渋谷道頓堀劇場へ入る。既に夕方なれどだいぶ押していて二回目の二番途中で入場。開館二十周年記念興行とて本日の香盤は、ささきさち→漆葉さら→宇野莉緒→宇佐美なつ→鈴木千里。二回目三回目はトリプル・ダブル進行。四回目はダブル・ダブルのピン。最後まで。

道劇は久しぶり。というか二年ぶり二回目。照明は美しいが、どうも白すぎる気がする。もうちょっと温かみのある色合いが欲しい気がする。そしてせり上がる盆。スティックのりを思わせる。光ればレモンの断面を思い出させる。なかなか綺麗だよね。

もちろん鈴木千里さん初乗りを見に。最近は最低でも月に一回はお会いしないと理性を保てなくなっている気がする。そんな鈴木さんのダンスも、舞台、照明、そして客席が変われば、また違って見える。鈴木さんは彫像のようにキレイなのに、優しく美しく激しく踊って、この像動くぞってなる。いやはや、切れ味の鋭さに圧倒されましたよ。うん、来て良かった。

宇野莉緒さん、今日も全力で凄い。まるで魂の叫びが聞こえてくるようで心が震えた。 [115188]

五月

二十九日

事実上の禁酒令が施行されて長く経つ。故に今日は車で出かけることにしよう。一途、北へと向かう。

車中で米津玄師の優しい人が流れる。「気の毒に生まれて、汚されるあの子を、あなたは綺麗だと言った」この始まりの一節だけで涙が溢れてくる。僕は確かにその子を綺麗だと言ったから――。

国道一号線を突き抜けて東寺の横の駐車場に車を停める。東寺を横切るついでに、小銭を賽銭箱に投げ入れる。何を思えばいいのだろう。何を祈ればいいのだろう。世界平和? コロナの収束? そんな大それた祈りなど余には荷が重すぎる。自身の平穏を願うもまた違う気がする。神仏には祈るものではないのかも知れない。たゞ無心に手を合わせることが必用なのかも知れない。

かくしてDX東寺へと至りぬ。本日の香盤は、夢乃うさぎ→飴戸ぐみ→ALLIY→小宮山せりな。一回目終了後ビンゴゲーム。もちろん当たらず。人生でビンゴに当たった記憶がない。気の所為かも知れんが。結構な混雑で二回目三回目はダブル・ダブル進行。

一番、夢乃うさぎ嬢。夢乃さんは可愛い。夢乃さんは色っぽい。そして夢乃さんのステージには夢がある。儚げに見えて芯が強く、自分を持っているからこそまた儚く見える。六中の晃生も行かねばなるまい。

二番、飴戸ぐみ嬢。初見。今月デビューしたばかりと思えぬ落ち着いたステージさばき。これはなかなか。ポラ列が伸びるのも分かる気がする。

三番、ALLIY嬢。何だかんだでいつも全力のステージ。幾度となく見た演目だったけれど、何か今日は気迫が違う。真に迫り圧倒されて足が震えた。凄かった……。

四番、小宮山せりな嬢。今日も筋肉ムキムキ。というか更にムキムキになってる気がする。さながらボディービルダー。でも可愛い。可愛くて小さくて、なのに力強くて。今日も素敵でした。エアリアルも素晴らしかったけれど、せっかくのエアリアルなのに、チカチカする照明の所為で見にくかった。投光さん、照明もっと裏方でいゝのよ。 [115040]

二十七日

隣の部のM部長と言い合いをする。こちらブチギレて思いっきり罵る。黙っていなくなるM部長。黙ってのしのし歩いてくると思ったら、右手に拳銃が。黙ってゆっくりと近づいてくる。外さないようにけっして遠くから打たない。確実に殺しに来ている。足がすくむとはこのことで、ただただ恐怖に支配されて逃げることも反撃することもできず、唖然としている内に、銃口が頭にくっつけられる。これは絶対に死ぬ。これは絶対本物の冷たさだ……と怖すぎて震えた所で目が覚めた。 [114993]

二十六日

母がデイケア施設で新型コロナワクチンの予防接種を受けることになった。朝、今日は注射あるでと言うとすごく嫌がる。行きたくない、注射は嫌だと言い始める。子供かよ。帰ってきて、もう一回あるでと言うと、これまた言わんといて欲しかったと言い始める。子供かよ。

四月頭に急に休んだ隣の席の人は、一応復帰しているけど、その更に隣の隣の席が一ヶ月程休職することになった。大丈夫かいな、この職場。

もちろん本人にも職場にも問題があるだろうけど、少なからず緊急自体宣言の影響もあるのだろう。酒が飲めないし、飲んで愚痴れないし、飲んで本音を聞くことができないし、飲んでガス抜きできないし、飲んで笑えないし、飲んで騒げないし、飲んで忘れることもできないし、飲まれることもできないし。

酒は百薬の長。酒は呑むか呑まれるか。 [114970]

二十一日

何とも言えない天気が続く。何とも言えない仕事が続く。

今週月曜日、隣の同期女性の髪型が変わってパーマが当たっていた。気を使って、というか実際良かったので、髪型変えたんやえゝやんと声をかけた。そんときはありがとうご返答あったのだが。

今日、別の人の髪型について話しているときに、ふと、髪の話はちょっと的な話をされた。うん、今日は元の髪型に戻っていた。あれは事情があってウィグ的なものだったのである。つまり気にしているポイントをいじってしまっていたのである。何か申し訳ないことをした。

めったに人の髪型を褒めたりしないのに褒めたらこれ。我ながら持っているなあと。

二十日

広島第一劇場は今夜もうすぐ閉館。

初ストの地かつ我がスト活の原点がなくなると思うと寂しい限り。でも劇場がなくなっても初ストの地であることに変わりはないし、スト活はこれからも続く。この心には第一劇場が残り続けるのだから、さよならではなく感謝を。

ありがとう、そしてお疲れさまでした。

十七日

母を病院へ連れて行く。先週の頭のホッチキスを外す。いや、ほんと、簡単ですやん。紙のホッチキスを外すのと変わらん感じ。

で紹介状をもらう。先方の宛先が「担当医先生御侍史」と書かれていた。御侍史おんじしという尊称は初めて見たけど、というか読み方すら分からんかったけれど、医師にはこう書くのが業界内の通例らしい。やはり特殊な世界である。

十三日

せいない仕事で萎えて帰ってきて、ため息をつきながら家の前で深呼吸。痴呆と鬱的な母にイライラしないように気持ちを落ち着けて。

でも今日の母は調子が良かった。うん、良かった。

そんな日常。

十日

朝起きて洗濯機を回す。まだ起きて来ぬ母を見ると、頭から血が流れていた。というか流れた血が乾いていた。おいおい。当人に聞いたら今朝転んだという。この乾き方からしたらけっこう時間が経っていそうだが。

仕事は遅れる旨連絡し、病院へと連れて行く。傷をホッチキスで止めて念の為CT撮影。かなり強く打ち付けたらしく、外傷性のクモ膜下出血とのこと。とりあえず様子を見てくださいと。ケアマネさんにもご支援いたゞき、何とか昼から出勤する。

早めに帰宅する。転んだことも病院に行ったことも覚えてなくて、何で布団に血がついているだと問われる。これが年老いるということだろうか。

ふと、ドラえもんのぬいぐるみが枕元に持ってきていることに気づく。聞けば昨夜こゝに持ってきたらしい。そういえば昨日は寂しい寂しいと言っていたな。だから持ってきたのかも知れない。持ってくるときに転んだのかも知れない。真相は本人すら知らず、誰も知ることはできないけれど。

小川一水「ハイウイング・ストロール」読了。痛快な少年活劇、胸が熱くなる展開であるが、最後の設定などはナウシカを思わせるものがある。やっぱ一水はいゝぞ。

そういえばアニメ「86」第四話を見た。第一話から凄い世界観。人を人と扱わないこと、それを理解ながらも是としなければならない世界。優しさとは? 社会秩序とは? セカイ系を思わせつゝ、すっと人間味あふれる悲しい世界が広がっている……。 [114619]

八日

昨日の夕方。上司がつぶやく。ふう、つかれた、こりゃ土日も出てこなきゃ間に合わんなと。とりあえずスルーする。空気を読めない男だからな。無視して黙々と仕事を続ける。何が何でも今日中にやりきってやる。土日に出なきゃならんのやったら、今日にもやってやればいゝのだ。

根性で仕事をやっつけて日付が変わらぬうちに職場をあとにする。けっこうふらふらで帰宅するも、やはりこの土日は例の場所へ行かねばならんと気持ちを立て直す。さっと宿泊予約を入れ、地図を開いて駐車場の場所などを吟味し布団に入る。

未明。起床。洗濯機を回す。

五日

昨日も仕事だった。今日はやっぱり出かけよう。不要不急の外出は自粛を。うん、必要な外出だ。あと自粛は自分で決めるものであって人からとやかく言われる筋合いはない。

尤も緊急事態宣言という名の禁酒法が施行されており、飲食店ではアルコール飲料の提供が禁ぜられている。そもそも休業している店も多い。東洋ですら時短営業に留まらず飲食物の持ち込み禁止になっている。世も末だ。

このような状況でしかも雨が降っているので今日は車で行くことにする。高速代をケチって下道で。妙なところにケチってしまう小市民。

かくして東洋ショーへ。正午過ぎに入るとすぐに始まった。時短営業の前倒しで十二時二十分開演になっていた。

本日の香盤は、宇野莉緒→榎本らん→あらきまい→ひなた鈴→真白希実。かわいゝ宇野さんに始まる素晴らしいメンバー。あらきまいさんの新作「My舞」が雅でありながら、繊細でありながら、時に色っぽく美しくて見惚れました。今更ですが、本当に今更ですが、スゴい方だなと思った訳で。

先月分のフォトブックも確保。 [114529]

一日

優しいとしても思いやりがあるとは限らない。思いやりとは思いをやること。相手や事象を想像し、どうしたらいゝか考えて、行動に移すこと。想像力のない人に思いやりなど期待できないし、思いやりのない優しさなどたゞの傍迷惑かも知れない訳で。

緊急事態であるとか、或いは連休中に仕事が入っているとか、色々と細かい問題はある。本来であれば閉館目前の広島第一劇場やそこからの道後、はたまた久しぶりに真砂座に寄ってからの横浜、等々と大遠征計画を練ってもおったけれど、そういう訳にもいかず、ならば何を優先すべきか。

ということでピーチ利用で横浜へ。未明に起きて洗濯、風呂など洗って、早々に出発。成田から京成アクセス特急からの京急へと乗り継いで日ノ出町へ。さっとラーメンを食う。緊急事態宣言ではないが、蔓延防止措置であっても酒類の提供はなかった。さながら禁酒法の世界じゃないか。

かくして横浜ロック座。これは大入り満員。座ることができないどころか、立ち見の場所も厳しいぐらい。盛況じゃないか。香盤は友坂麗→沢村れいか→鈴木千里→ゆきな→徳永しおり。二回目、三回目にチームM2Sの新作。渋くてかっこよくて、やがて綺麗で、うん、見どころたくさん。ゆきなさんの周年作は、鮮やかな衣装を可憐にまとって、ふんわり美しく舞う。すごくいい。四周年おめでとうございます。

睡眠少なく早朝出発、二回目終了までの六時間は立ち見で足が非常に疲れたが、それでも来て良かった。余にとって鈴木千里さんを見れないことこそ緊急事態に他ならないのだから。


『或阿呆の日記』 制作・著作/香倉外骨  2003/01/09初出  #115409
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