トップページ | されど我が詩集

天女

歌姫と呼ばれる人が
独りで泣いていた
まるで声を失ったかのように

少しばかり前までは
この身にも
焦げるような恋心が宿っていた
いつまでも秘めたる
枕の跡

雨に濡れて
何かを叫ぶ
歌えぬ女が
笑顔を見せた

はじめて
自身のための旋律が与えられた
解き放たれた輝き
明かせぬ真実を

香倉外骨(2005/04/14)

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制作・著作/香倉外骨  2005/04/14初出
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