トップページ | されど我が詩集

秋空

天には澄み切った夜空
少ないながらも星たちの
我こそはと煌めいている

けれど上を見て歩いているのは
決して煌めきに心奪われた訳ではなく
まぶたに溜まった涙をこぼさぬ為
ただ泣いていない振りをする為

ぼんやりとした視界に
星の煌めきだけは確かに見える

見上げても
見上げても
届かぬ夜空も
朝が来れば
爽やかに澄み切るのだろう

この涙も
この思いも
朝露となって
こぼれ落ちるのだろう

香倉外骨(2006/10/16)

/ 目次 /


制作・著作/香倉外骨  2006/10/16初出
無断転載を禁じます。リンクはご自由にどうぞ。
Copyright © 2006 Kagura Gaikotsu. All rights reserved.