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廃残

春のおだやかな日
先輩から相談された
君と付き合いたいと

嗚呼
後悔したところで
時間は戻せない
だから今
何をするべきか

なかなか返事しないから
はっきりしろといった
先輩はいい人だから
だからこそ
はっきりしろと

嗚呼
戻せないなら
変えればいいと
簡単に云うが
世間がそれを許さない

君は僕の説得を
先輩と付き合えと
薦めているように捉えた
僕が云ったから
受け入れた

嗚呼
たぶん僕たちは
似すぎていて
駄目なんだ
負の連鎖に陥ったのだ

薦めた訳でも何でもない
ただはっきりして欲しかった
そうでないと前に進めないと
感情の堰が溢れてしまうと
早く答えを知りたいと

嗚呼
つまりお互いが
勘違いし合っていた
余りにも稚拙に

逃げ出したい
この状況から
この世間から
この感情から

愛し合っていること以上の何を望む

せめて望むことを許されたいと

香倉外骨(2009/01/28)

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制作・著作/香倉外骨  2009/01/28初出
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