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舞姫

先週、広島のことである。人生で初めてストリップなるものに行った。その劇場は古くていかゞわしくて、如何にもな雰囲気をはなっていた。客は二十人ほどであろうか。天井が高い中で行われる華麗な舞に魅せられる。そこは……美しい時空間であった。

そこで秋月穂乃果に出会った。空へと羽ばたく舞に心がとろけてしまったのである。天井から垂らされた二本の布、高い天井を活かしたダイナミックなエアリアルティシュー。あんぐり口を開けて、たゞ見上げてしまった、秋月穂乃果という舞姫を。

手渡された「ほのか便り」によると、八月から大阪は天満が劇場に来るらしい。これは行かねばならんとて高速を走って天六へ向かう。

生活感の漂う地元の商店街から少し脇に入った所、青く光る看板がある。上演中の掲示を見つゝ階段を二階に上がる。自動券売機があり三千円で入場券を買う。すご横が受付なので、出てきた券をさっと左に回す。もはや直に三千円渡せばいゝような気がしないでもないシステムだなと思いつゝ、とりあえずトイレを済ませてから中へと入る。

場内満員。ぎっしり席が埋まっている。広島の閑散とした情景を想像していたので、まさか立ち見になるとは思ってもいなかった。ふと見ると秋月穂乃果の演目が終わった所のようだ。残念。ひとまわりしないと見れない。できれば二回見たかったのに。

星崎琴音、可愛いくておっぱい大きい。水元ゆうな、和服が美しく優美な踊り。上野綾、エアリアルフープがカッコイヽ、これはすごい。紫籐みなみ、新人さんなのか、がちがち緊張していて動きがぎこちない。初々しいと評すべきか。

かくして秋月穂乃果。演目は飛行石。時間の関係だろうか、少し変更されているが、広島で見たのと同じ演目である。エアリアルはやはり高さのある広島の方が迫力があったけれど、それでも美しさは格別である。前盆でやるので目の前で見れる。優美でありながら筋肉ムキムキなのが分かる。凄いな。

その後、秋月穂乃果嬢とツーショット写真を撮ってもらう。最後、受付に置いていた「ほのか便り」を取ると、知らない年配のおじさんが三枚あるでと教えてくれる。優しいね。劇場を背に、帰路につく。


制作・著作/香倉外骨  2018/07/30初出
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