トップページ | 香倉外骨ストリップ紀行

ストリップかくあるべき

小雨の降る中、これから止むと信じて、傘を差さずに駅へ向かう。鞄に日本酒を忍ばせる。最近よく飲む日本盛の大吟醸ボトル缶である。蓋を閉め直せるのがいゝのよね。

と歩いている途中で眼鏡をしていないことに気づく。さすがに眼鏡なしでの観劇は難しいので、取って返して家に戻る。これで乗る電車が更に一本遅れてしまった。

午後二時過ぎ、天六に到着。通い慣れた道を急ぎ足で進む。コンビニで更に燃料を追加補充。

かくして東洋ショー劇場へ潜入する。本日の香盤は、橋下まこ→藤咲茉莉花→雨宮衣織→大見はるか→あすかみみ。ロック祭。入場は一回目の四人目、大見はるか嬢の終わりかけ。予想通りの混雑で当然に満席。立ち見もかなりの人数が居る状態。二回目などは立ち見も凄い人数になっていた。三回目からは割と空き始めて、そこそこの席に座って見ることができた。

先ず橋下まこ嬢。十月中以来の二回目。デビューして半年も経っていないけれど、なかなかの落ち着いて洗練された踊りを披露してくれる。たぶんかなりのダンス経験があるのだろう。もう少し人気が出てもいゝと思うのだが。

二番手、藤咲茉莉花嬢。一応、十二月結に浅草で見たようだが印象に残っていない。事実上の初見である。和も洋も素晴らしい。特に和の演目は選曲も渋くていゝ味を出している。

三番手、雨宮衣織嬢。九月結が初見で、十二月結の浅草ではやはり印象なし。いやあ、なかなかリズミカルで格好いゝ。結構和風な顔立ちながら、洋楽に合わせてステップを踏む姿に惚れ惚れする。

四番手、大見はるか嬢。もう結構な回数を見た堕天使である。大見ちゃんはいつ見ても可愛いし、頑張っている感じがして好きだな。演目は、アイドルみみたん、カテキョ。カテキョは十二結に川崎でも見た演目。で、アイドルみみたんはその名前のとおり、あすかみみ嬢から譲られた演目である。

最後は、あすかみみ嬢。昨年の七月が初見で今日が七回目。そして今週で引退。ダイナミックかつ変幻自在で多彩な舞は、ストリップかくあるべき、一つの完成の域に達していると評すべきであろう。泣き喚こうと、別れ惜しもうと、今週で最後となる。本日の演目は、みみオング、結、本日が初出しのラスト作「カラフル」の三個出し。他にも見たい作品は数あれど、充実の名作揃いである。引退とあって毎回ポラ列が凄まじいことになる。折り返して反対側の壁際を伝って更に並んでいる。こんな並んでいるのは初めて見た。

二回目のフィナーレ終了後、ロビーにてあすかみみ写真集販売イベント。フィナーレが終わったばかりのみみ嬢がクロックスで登場する。その歩いている姿を見て、すごい小柄であることを知る。舞台で大きく見せるので、もっと大きいかと思っていた。この体からあの力強い動きが出ているんだことをしみじみ思う。四千円を握りしめて販売の列に加わる。目の前でサインを入れてもらい写真集を受け取る。

三回目のフィナーレ終了後、ロビーにて、橋下まこ、藤咲茉莉花、雨宮衣織のスリーショット撮影会。これも五百円と安いので一枚撮影する。参加者でじゃんけん大会があり、三名がサイン色紙をもらえる。あいこが何回かあった後、一気に人が減って私を含めて四人が残る。じゃんけんに弱いので、珍しい展開である。四人中三人がもらえるなんて取ったも同然と喜んでいたら、案の定、負けてしまって何もなし、仕方なし。

そんな幕間を挟みながらの四回目。全く時間を感じさせない名演が続く。大見はるか嬢のアイドルみみたん、そして最後、あすかみみ嬢のオングへと続く。何か涙が出てきて、自分でも知らん内に、実はあすかみみ嬢の虜になっていたようで。

ダブルオープンで一緒に腕を振る。終了後、緞帳から覗くように見送る二人を見ながら劇場を後にする。


制作・著作/香倉外骨  2019/01/14初出
無断転載を禁じます。リンクはご自由にどうぞ。
Copyright © 2019 Kagura Gaikotsu. All rights reserved.