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喪失と再生と

過日、あすかみみ嬢の引退公演を見て、余りの寂しさに、スト通いが怖くなった。しかれど街にはまだ劇場はある訳で、踊り子は今宵も観客を魅了して訳で。彼女も云っていた、また劇場に来て、後輩を応援して欲しいと。確かに手もとには引換券が残っている。あすかみみさんとの最後のツーショット写真を受け取りに行かねばなるまい。

かくして今日は電車にて東洋ショーへと向かう。二時前に到着、一回目の三番まで終わった所。とりあえず引換券で写真を受け取る。最後のツーショットはきちんと撮れていたけれど、こんな表情だったのか。神妙で泣きそうな顔になっている。泣かないように、もっと笑顔を作ろうとしていたつもりなのに。みみさんの清々しい笑顔とは対象的だ。

気を取り直して、本日の香盤は、渚あおい→川菜ひかる→小宮山せりな→白鳥すず→真白希実。一回目の四番目から四回目の一番目まで見る。なお、二回目終了後に渚あおい嬢の写真集販売イベントがあり、時間の関係で三回目は川菜ひかる嬢が最初、次に渚あおい嬢という変則的な順序となっていた。

一番手、渚あおい嬢。四月に引退する。特にお気にということではないが、何だかんだで結構な回数を見てきたので、寂しい気持ちに変わりはない。今日は縄を使った演目と、傘を使った和の演目。この傘をくるくる回しながら舞う姿が美しい。一年ほど前だったか、桜の演目を見て、ストにこんなに美しい舞があるんだと、初めて教えてもらったのが彼女だったと思う。ポラのときに、リラックマの服を見て、すずちゃんがコリラックマ好きだとぐいぐい推してくる。引退を控えての後輩推し。やはり少し寂しい。

二番手、川菜ひかる嬢。初見である。なかなか豊満な体をお持ちで。豚まんの演目など、なかなか愉快である。

三番手、小宮山せりな嬢。こちらも初見。二回目「インド」は、ベリーダンスのような動きから本舞台のリングを使用した演目。このエアリアルリングの勢いが凄い。これまで見た中で一番高速に回転する。それだけで圧倒される。三回目「スパイダー」でこれも凝った演目である。途中から盆の上でエアリアルティシューをする。なかなか見応えのある踊り子である。

四番手、白鳥すず嬢。相変わらず笑顔が素敵でめちゃ可愛い。三回とも「ハッピーシンセサイザー」で、これは渚あおい嬢から譲られた演目らしい。ボカロ曲が満載でぶりぶり踊る。似合ってて可愛い。めちゃ可愛い。三回目のポラ着がブルマー体操服でめちゃ可愛い。

五番手、真白希実嬢。十二結の川崎ロック座以来である。一回目と三回目は川崎で見た「君影草すずらん物語」。哀しい物語である。美しく舞う姿に魅入るばかり。本当に真白嬢の舞には惹き付けられる。美しいだけでなく、妖艶であり、そしてその奥に心があるように思う。二回目は新作「spring」で名前の通り春の演目。春らしい爽やかさに満ちながら、儚い寂しさも併せ持った味わい深い演目である。

嗚呼、やっぱりストリップは楽しいなぁ。


制作・著作/香倉外骨  2019/02/04初出
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