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開館三十八周年記念興行

新幹線バリ特こだま。新大阪から小倉まで六千三百円という破格の値段である。

新大阪駅。余裕をもって到着。十時三十二分発のはずだが、なかなか電車がこない。ダイヤが乱れているようだ。ひかりレールスターが到着。車内整備の上、折返し、こだま号となる。少しばかり遅れて出発する。

指定席は横に四席のゆったりの席配置。まるでグリーン車。グリーン車に乗ったことないので知らんけど。快適である。たゞ、勿論こだまは各駅停車、そして停まるごとに通過待ち。走っている時間と止まっている時間が半々ぐらいのイメージ。車内販売がない。停車中、駅のホームに降りた所で、大概の駅はジュースの自販機があるぐらい。

BLの校正などしながら、余りの感動に泣きながら、ゆったり過ごす。ビールを呑みながら、リラックマパーカーでBLを読んで泣くおっさん、こりゃ危険人物、ぜったい話しかけたらあかんやつや。

昼過ぎ、新大阪駅で買ってきた弁当を開く。チキラーハウスのチキ弁である。まあ、想像どおり、見た目どおりの味。それなりに旨いけど、それなり。どっちかいうとビールが欲しいけれど、すでに飲み干してしまってない。残念。

などと食べ終わっていたら広島駅に停車する。こゝでも勿論通過待ち。目の前に売店。やはり大きな駅には売店があって、ならばやむなしとビールを買いに行く。弁当はもう少し待っておけばよかったな。予定通り午後二時五十四分、小倉駅着。ホテルチェックイン後、目的の場所へ。

かくしてA級小倉劇場に到着。夙に四時前であったが、押していたようでまだ一回目が終わった所。二回目が始まろうという感じ。

だいぶ昔に一回来たゞけで、余り覚えていないため、新鮮な気持ちで場内を見渡す。なかなかの混み具合。ほゞ満席と云ってよかろう。コロナパニックの所為でがらがらの晃生を見た後なのでびっくりする。両側の壁に昔の写真が飾られている。舞台の形が独特である。本舞台があって短い花道、そして盆、さらに花道の延長が飛び出ている。四角、盆、四角の形状。なかなか椅子の配置も見やすい。良い。たゞ気になったのが盆の回転で、何かぎこちない。不安定で不安になる。止まりそうな感じで不意に揺れる。見てゝ気になるし、踊りにくそうに見える。これは頂けない。

そんなA級小倉劇場が自信と確信をもってお贈りする開館三十八周年記念興行、三中楽日となる本日の香盤は、ゆきみ愛→黒井ひとみ→鈴木千里→ALLIY→小宮山せりな。進行は、二回目バラシ。三回目は三一一、たゞし一番はポラなしのダブルポラ。各回最後はアトラクションとしてじゃんけんで無料券、合ポラ、募金コーナー、パチンコフィナーレあり。四回目はバラシ。

一番、ゆきみ愛嬢。二十六周年というから凄い。二回目と四回目は、しなる棒をムチのように、或いは剣のように使った演目。三回目はシルバーのタキシードが印象的な演目であった。

二番、黒井ひとみ嬢。二回目と四回目は乳酸菌レディーな演目。三回目、赤いドレスの演目で、なかなか素敵だったが、途中で曲が止まってしまうトラブルあり。さすがA級小倉と評すべきか。

三番、鈴木千里嬢。当然ながら本日来訪の主目的である。二回目と三回目、十一周年作。三回目、レモン。相変わらず素晴らしいステージ。ひと月ぶりの千里嬢は、やはり鋭くて美しかった(が…東洋の方が合うてたかも)。ポラ時に何故か「前乗り?」と尋ねられる。いや、そりゃ、まあ、明日も来ますけど、なぜか別の踊り子さんをメインに追いかけていると思われているような気が。なぜ。

四番、ALLIY嬢。二回目は仕事終わりのビール演目。涙を流しつゝ、最後にアサヒビール一缶を飲みきった。いゝ呑みっぷりである。楽日につきキイロイトリは送ってしまったとの談。心ゆさぶられる素敵な演目である。三回目は盆から始まる、ザ・踊り子というべきステージ。四回目、赤黒の振り袖風からボンテージと展開する。

五番、小宮山せりな嬢。二回目はゾンビ。リングを使った演目で引き込まれる。これは必見、見応え充分。三回目、うさみゝでルーレットを回す演目。ノリノリの曲で楽しい。四回目、最後はトイレから登場。凄い。和プロレスからのマラカス。めちゃくちゃ楽しい。キレキレでノリノリで、劇場を揺らしていた。最後はだいぶ押したので、オープンショーはエア手拍子で終演。

そんな小倉の街は、路上でパックの焼酎で宴会するおっさん連中などおって、とても素敵な夜であった。


制作・著作/香倉外骨  2020/05/23初出
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