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雨のまさご座、御幸奈々の汗

大雨の予報だったのに、さほど大雨というほどでもない。

六時半、車で出発する。車で出かけるのは久しぶりのような気がする。

京奈和、名阪国道、東名阪へと入って、桑名東インターで下りる。例によって高速代を節約するルート設定である。清流サルスベリ街道をするする走る。ガードレールのない道は少々怖いけれど、信号がまったくない快走路である。約二百五十キロの道のりを経て、十一時、岐阜市内に到着する。

いつか丸デブを食べてみたいと思いつゝ、今日も列があったので諦める。基本的に並ぶのが苦手なので、小雨の中、アーケードを適当に歩いていると、丸万という店を発見。中華そばを食う。

かくして、まさご座に来たのが正午少し前。もうすぐ開場する。シャッター前に七八名ほどの列ができていたので、その後ろへと並んで少しばかり待つ。まさご座へ来るのは何だかんだで一年ぶりぐらいになる。相変わらず女性スタッフが多く、独特のアットホームな空気が漂っている。

入場時に検温及び手の消毒。靴を預けて場内へと進む。靴を脱ぐ和スタイル。席に区切りはないけれど、白い紙が交互に置かれて、隣と密着しないようになっている。新型コロナに騒ぐ当世を反映している。

ふと音が良くなっていることに気づく。前はノイズが多くてローファイな感じだったのに、いきなり音質が上がっている。音響設備が更新されたのかも知れない。こうなると東洋の方が音が割れ気味で悪いように感じる。正直まさご座は、座席の快適性、舞台の見やすさ、絞り緞帳などの豪華な装飾と、施設面では一番だと思っている。

そんなまさご座、本日の香盤は、星愛美→かすみ玲→竹宮あん→御幸奈々→浜崎るり。一回目から二回目まで。一回目が時間が押したゝめ、フィナーレカットの上、二回目がトリプル・ダブル進行。

一番、星愛美嬢。初見。この道三十年を越えるという。しかしなかなか見応えのあるステージをする。多彩でいゝ。

二番、かすみ玲嬢。三結の小倉以来、二度目。相変わらず長身で生き生きとしている。一回目がアイドル風、二回目が魔女の杖を持って。

三番、竹宮あん嬢。初見。今週でデビュー三周年というこらしい。東京へ来た花売り娘。周年作だと思われる。

四番、御幸奈々嬢。かなり久しぶりである。去年の四結に道劇以来。髪の毛が肩ぐらいに短くなっていた。来年で三十周年となるらしい、この方の時間は止まっているのかも知れない。常に激しく、いつも可愛い。一回目は昭和歌謡。オナベ。汗が溢れている。二回目がスペイン風。この二回目、素晴らしい。タンバリンを持って登場。裾の長いスカートを美しくはためかす。衣装替えも舞台上で、それ自体が一つの舞。美しく見惚れる。白い布を巻いて上着にする。そして情熱的なベット。これで終わるかと思ったら、立ち上がりから更に踊る。一段と激しく、勢いが溢れて、まるで生きる喜びを見せつけるように、これが生き様だと叫ぶように、ステージ狭しと踊り続ける。それを見せられて、思わずこの目に、涙があふれる。

五番、浜崎るり嬢。初見のはずだが、どうもそうは思えぬ親しみやすさ。色っぽい上に、茶目っ気もあるステキなステージ。関西弁がえゝ味を出している。

帰路を考えて早々に退却。雨の中、再び車を走らせる。往復で五百キロ近い。けっこう運転したな。小雨だったけれど、夜に雨の中での運転は疲れる。


制作・著作/香倉外骨  2020/08/10初出
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