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ストリップ総括(2022年)

劇場

合計で80回。内訳は:

劇場回数
東洋ショー劇場53回
晃生ショー劇場13回
川崎ロック座3回
渋谷道頓堀劇場3回
浅草ロック座2回
DX東寺劇場2回
ライブシアター栗橋1回
新宿ニューアート1回
横浜ロック座1回
大和ミュージック1回

徐々に緩められつつあるものの、依然としてコロナに対する謎の規制が続いており、そんな中にあっても劇場は今日も何とか続いている。

その危うきこと累卵の如し。薄氷の上に佇む劇場は、例えばシアター上野が営業停止処分を乗り越えて再開したと思えば、わらびミニ劇場が火災により営業できない状況になっている。或いはDX東寺劇場はパンツ着用となり、そもそもストリップとは何か、を考えさせられる状況になっている。

そんな中にあって、今年一年を振り返ってみれば、気持ちの上では少しばかり回数が減ってきたなあと思っていたのに、いざ数えてみれば過去最高であった昨年に並ぶ八十回の訪問。やはりストリップ劇場こそ私の行くべき所であり、拠り所であり、そして帰るべき所であったということだろう。

踊り子

合計107人の方に408回。なお、劇場への訪問回数(日数)の集計なので、ステージの回数(演目数)ではありません。

踊り子回数
あらきまい19回
ゆきな17回
鈴木千里17回
上野綾16回
大見はるか14回
伊東紅蘭13回
松本なな10回
あすかみみ9回
椎名ほのか9回
夢乃うさぎ9回
真白希実8回
青山ゆい7回
川越ゆい7回
藤川菜緒7回
武藤つぐみ7回
目黒あいら7回
工藤リナ6回
桜庭うれあ6回
早乙女らぶ6回
樋口みつは6回
木葉ちひろ6回
ALLIY5回
mico5回
ののか5回
永澤ゆきの5回
熊野あゆ5回
西園寺瞳5回
中条彩乃5回
虹歩5回
鈴香音色5回
ささきさち4回
榎本らん4回
笠木いちか4回
坂上友香4回
神崎雪乃4回
星愛美4回
前田あこ4回
椿りんね4回
南まゆ4回
茉宮なぎ4回
ひなた鈴3回
らん3回
宇野莉緒3回
雨宮衣織3回
音ね風花3回
空まこと3回
漆葉さら3回
水戸かな3回
赤西涼3回
藤咲茉莉花3回
有沢りさ3回
涼宮ましろ3回
緑アキ3回
JUN2回
Kuu2回
MINAMI2回
リリー2回
愛野いづみ2回
宇佐美なつ2回
原美織2回
倖田李梨2回
広瀬あいみ2回
小宮山せりな2回
小室りりか2回
小春2回
水咲カレン2回
前田のの2回
蒼稀子2回
竹宮あん2回
桃瀬れな2回
楠かほ2回
萩尾のばら2回
浜崎るり2回
浜野蘭2回
豊田愛菜2回
悠木美雪2回
六花ましろ2回
RISA1回
かすみ玲1回
マリー純1回
ゆきみ愛1回
愛あられ1回
愛奈1回
安田志穂1回
安藤もあ1回
音羽うた1回
夏野こだま1回
花井しずく1回
海野雪妃1回
橋下まこ1回
御幸奈々1回
黒崎優1回
佐々木ひなこ1回
沙羅1回
山口桃華1回
上原亜衣1回
水元ゆうな1回
星乃結子1回
大月小夜1回
天咲葵1回
田中幸子1回
徳永しおり1回
平井栞奈1回
望月きらら1回
堀沢茉由1回
夕鶴1回
立葵1回

ああ、やはり、そうか。

ここ三年ばかり年間最多が続いていた鈴木千里さんが、二位になってしまった。

もちろん私の中では今年も鈴木千里さんがきらめいていたことに違いはないけれど、違いがあるとすれば今年は東洋ショーへの出演が少なかったことだろう。東洋を軸にしているので必然的に見れる回数が限られてしまう。東洋以外でも、新宿、川崎、横浜、浅草、栗橋、と各所に出掛けたが、それでももっと見たかった。東洋の広いステージ、美しい照明で、もっともっと見たかった。

今年最初の鈴木千里さんは新宿にて。ノリノリで楽しいステージ、個人的には帽子から出てる左の前髪と耳がツボで……。東洋でも髪の毛の間から耳が出る。眩しそうに目を細める。こういう何でもない所作に心惹かれるばかりで、そして踊れば凄まじい勢いで風が吹き抜け、心がしびれる。演目中、近くの席の人が誰に言うでもなく囁くような小さな声で「すごい」って声を出してしまったのは、仕方ないことと思う。

今年最後の鈴木千里さんは川崎にて。静かで美しく。彼女は人間か、人間になりたい何かか。或いは人間になんかに生まれたくなかったのか。余りにも綺麗で、でもどことなく懐かしい感じもして……震えました。銀色の髪の内側が暗い色になっていて、これもまた渋くて。

替わって最多となったのが東洋ショーのアイドル、あらきまいさん。初めて見たのは東洋のオープニング映像で、それから本人に会って「あ、本人だ」と思ってからもう何年も経ったけれど、その時の新鮮さと綺麗さは今も変わらず続いていて、そしてその人柄がほんと素敵で。益々の魅力に日に日に存在感を増している。

二位タイは、今や東洋の準所属とも言っても過言ではない、ゆきなさん。今年も楽しく優しく美しいステージをたくさん見ることができた。多彩かつキャラ性の高いことは勿論好きだけど、その中にある、ゆきなさんの柔らかさは、何かやっぱり、好きだなぁ、と。

夢乃うさぎさん。何年か前に初めて見た時に不思議な雰囲気だと思わされ、近頃は素敵なステージに魅せられてばかりで、ベットで口ずさみながらポーズを切る姿が本当に美しく、一方で暗転した舞台袖の鏡でそっとターンの練習をしている姿を見て、やっぱりプロだなあと思う。

周年イベントの日、客の何人かに話し掛けられた。めったに話し掛けられることがないので驚きつつ、今日はうさぎさんの応援ですかと尋ねられる。そうですと答えると、おめでとうございますと祝福の言葉。こういう雰囲気、何かいいなあ。

あすかみみさんは、元々ストリップに引き込まれるきっかけになった踊り子で、約四年前の東洋ショーで引退、その日の情景は今も目に焼き付いている。その日に知った訳だ、今あるステージは今見ておかないともう二度と見れないということを。

そんなあすかみみさんが七月に復帰。歓喜しながら復帰の日、仕事終わりに東洋ショーに駆けつける。キョンシー衣装がすごく素敵で、それに合わせた不思議な動きがまた素敵で。ライトに輝くみみさんの汗と笑顔。やっぱり見入ってしまう。感謝の気持ちで再誕の宴を終える。

目黒あいらさんも今年四月に唐突に復帰。特に情報もなく一年以上出演がなかったから、あの熱情溢れ魂揺さぶるダンスを思い出し、見る前から興奮して止まらない。

その復帰された踊りざまを目の当たりにして、相変わらず美しく、ダンスが上手く、そして色っぽく。黒髪のイメージだったが、金髪というか白銀のような髪色。非常に似合っている。時にゴージャスに、時に可愛くて。いやポニテ可愛すぎるぞ。

目黒あいらさんの素晴らしいステージの数々。きれいだけじゃなく、かっこいいだけじゃなく、冷静な情熱がこだまして心が揺さぶられる。蝶の柄の白い和装でしっとり始まり、そこから加速して白いドレスに。そして青い羽扇子を優雅に羽ばたかせ……。気づけば目に涙がたまっていた。

或いは、美しい和装で落ち着いた演目では、一つ一つが丁寧で奥深い。時間が生まれて、この世界をどうしようかと考え、そして星が生まれる。これは宇宙開闢の物語。そしてエロい。

こう書いていると、目黒あいらさんの存在感を改めて感じる。これは来年ももっと見に行かないといけないな。

その他、数は少なくても素晴らしい踊り子さんに、魅力あるステージを見せてもらうことができた。

初めて見るKuuさんは、ロボティックな不思議な動きでゴリゴリ畳み掛けるように踊って、さらにベットではまるで感電したかのような動きを混ぜながらポーズを切る。見てるこっちの背中にも電流が走って、いやはや、しびれました。

小宮山せりなさん。いつも全力で、それでいていつも楽しそうに踊って、そりゃ誰もが魅了される。ステージ写真はほんと神がかっていて、でも実際のステージは、どの瞬間を切り撮っても絵になっていて。凄い。

そういえば四月にキヤノンギャラリー大阪の写真展「誰が撮っても、同じじゃない。」へ行った。小宮山せりなさんの写真が展示されているからである。広島第一劇場の閉館のとき、その情景、その思い。そこに写るは汗か涙か。その刹那を見事に切り取った写真は、生々しくも美しく、まるで自分の記憶であったかのように目に焼き付いて――。

蒼稀子さんは、晃生と大和の二回だけしか見ることができなかったけれど、独特の不思議な気配をまといながらの、流れるように美しく伸びやかなステージ。すごくいい。派手さはないけど、そこにドラマがあって、美しい。

花井しずくさん。東洋ショーの花道で連続バク転を決める姿は誰もが度肝を抜かれたに違いない。

コロナ以降、何が常識で、何が非常識かが曖昧になり、ロシアがウクライナに侵略戦争を始めて、何かが続いていることにこれまで以上の価値を感じる。続けて行くのは全て人の意思、力、集合。それは尊い。

願わくは、来年もその次の年も、劇場の燈火ともしびともり続けんことを。


制作・著作/香倉外骨  2022/12/31初出
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