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性理

偉そうな口を叩きやがって
自分がどれだけ正しい生き方をしてきたのだ
知っているぞ、お前の失敗を
滲み出ているぞ、隠し切れぬ醜さが

ほら
今朝から雨が降り続いているだろう
我々の涙が天に昇った結果だ
明日になれば洗い流された大地は
また晴れ渡るであろう

口では正しさを説いておきながら
どれほどの正しさを理解したと云うのだろう
愚かな限りだ、見るに堪えない
哀れな限りだ、信じ切っているその様は

でも
お前は変わらない
真実を感じようとしないからだ
ただ現象に応じて対処してばかりで
何も変えようとしていない

濡らせ、この雨を
乾けよ、星々のまたたきに

きっと花が咲く
儚く可愛い蕾
正しさの無い未来に向けて
香倉美咲と名づく

香倉外骨(2005/03/17)

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制作・著作/香倉外骨  2005/03/17初出
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