トップページ | されど我が詩集

十一時

本当は何を望んでいたのか
ぬくもりが欲しいと云っていながら
強く抱きしめられた所で
果たして満足していたか

あの優しい太陽の光も
我が身を削る水素の悲鳴
どうしてそこまでしてくれるのか
こんな小さな暗闇の為に

言葉だけで聞く夜明け
吾が目で見ようとは
照らされながらも
信じられない

かつての栄光
悪魔のシルフィード
どうして女性形で呼ぶの
寧ろ命を絶つ存在であるのに

愛を知らず
充足を知らず
穢れを知らず
笑顔を知らず
たゞ戦闘だけを知っていた
歌わぬ妖精

香倉外骨(2005/04/17)

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制作・著作/香倉外骨  2005/04/17初出
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