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まるで人間のように

今日は休みだ。飲みに行こう。でもあんまり早く行ってもな、などと思う内に少し出遅れて、天満に着いたのが十一時過ぎ。昼にもなっていないけれど、腹ごしらえ代わりにガード下の千歳屋へ。云わずと知れた立ち飲み屋である。とりあえず瓶ビール三百七十円を注文。串カツ盛り合わせ七本、海鮮ユッケ。窓の外は平時の真っ昼間の風景が広がっている。この背徳感がたまりません。瓶ビールをもう一本追加。本気で安くて旨い。至高のひとゝき。

さくっと済ますつもりが壱時間以上も滞在してしまう。スーパーで飲み物を調達してからの東洋ショー。さすが水曜なので空いている。本日の香盤は、青山ゆい→虹歩→小春→有沢りさ→鈴木千里。一回目から三回目まで。三回目は運良く真正面のかぶり席。東洋では初かぶりとなる。

一番、青山ゆい嬢。一回目と三回目が「NAVY」で、王道というか、定石というか、すごく整ったこれぞストリップという演目。先日、Mさんが初ストで見た演目で、初めてだけに印象に残ったと云っていた。確かに初めて見るのにいゝかも知れない。二回目は「連獅子」で、中央に階段状の踏み台のようなものを置いての和風の演目。展開も含めて見応えがある。

二番、虹歩嬢。一回目と三回目が帽子を次々に取り替える演目。このグルーヴ感が堪らない。二回目は和服の演目。動くに切れ味メリハリがあって、さすがである。

三番、小春嬢。一回目「世界の終わりのはじまり」は紙芝居風の小道具があって、かばんから色んなものが飛び出す。なかなか感慨深く、ぐっと見入ってしまう。良い。二回目「甲賀忍法帖」はその名のとおりの和風の演目。ポニーテール風の髪型で振り回す刀がかっこいゝ。好き。三回目「同級生」はセーラー服の演目。おじさん、セーラー服には目がありませんです。はい。

四番、有沢りさ嬢。一回目と三回目「王奥」はゴージャスな和服でゴージャスなボディを披露。ダイナマイトなボディでダイナミックなダンス。これぞ有沢りさという色っぽい演目である。二回目「シンデレラガール」は、うってかわってファンタジー。本人もブログに書いていたが、ベットでの照明が凄く綺麗。というか東洋にこんな設備があったのか、それとも新装備なのか。見惚れるばかり。

五番、鈴木千里嬢。唯一無二。好き。あかん、ますます好き。舞姫というレベルを超えて神々しい。後光が射している。いや、まあ、実際に後ろから照明が当たっているんだけど。一回目がレインコートと傘の演目。レインコートというよりポンチョかな。爽やか。好き。二回目は赤い振り袖風の衣装の演目。赤と黒、そして白が印象的な「スズキ」展開。好き。三回目はハチメドレーな演目。てっきり一回目と同じと思っていたが、まさかの三個出し。嬉しい誤算。おそらく初めて見る。凄くいゝ。もう好き。初めてかぶりで見る千里様、左目が髪で隠れて渋い。すっと目を細める表情がこれまた渋い。凄く好き。

鈴木千里さんは、機械のように正確でありながら、まるで人間のように優しく動く。鋭利で、なのに柔らかく、そして美しい。瞬間、瞬間を、この目に焼き付ける。先週から何度も、存分に見たけれど、ぜんぜん足りない。次はいつ、どこで、見ることができるのか。


制作・著作/香倉外骨  2019/12/09初出
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