合計で80回。内訳は:
劇場 | 回数 |
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東洋ショー劇場 | 57回 |
晃生ショー劇場 | 8回 |
DX東寺 | 4回 |
横浜ロック座 | 4回 |
渋谷道頓堀劇場 | 2回 |
広島第一劇場 | 1回 |
まさご座 | 1回 |
新宿ニューアート | 1回 |
川崎ロック座 | 1回 |
浅草ロック座 | 1回 |
去年に始まった新型コロナ(COVID-19)の影響で、緊急事態宣言やら何やらで、今年も穏やかならぬ状況が続いている。新型新型と言っている内に旧型になってしまえばいいのに、あえてデルタ株やオミクロン株などと、次々と新型であることを、新型でなければならないことを社会は作り出そうとする。疲弊する精神、業界、しかしファイザーだけはボロ儲け。
そんな中においてもストリップ劇場は今日も懸命に営業を続けてくれている。「今だけは自粛」などと言うことは簡単かも知れない。けれど今だけ自粛の結果として先に何も残らないとしたらその責任は誰が負う。この火を絶やさぬために、この熱情を冷まさぬために、最大限の対策の上で営業を続けなければ。来客が少ないとしても、一度消えてしまった炎は二度と燃え上がることはない。一度止まってしまった鼓動は二度と動き出すことはない。不断の努力の上に、劇場は今日もステージを照らし続けている。
例えば広島が終わった。五月二十日をもって中国地方からストリップがなくなった。ストリップを初めて知った場所、初めて見た出演者は、遠野こころ、永瀬ゆら、秋月穂乃果、香坂ゆかりの四名であった。夙に引退した踊り子も多く、現役は永瀬ゆら嬢ぐらいか。生々流転、世のすべからく諸行無常であるべきといえど、その移ろいの速さに驚かされるとともに、ならばこそ続いていくことの尊さを思う。
六月、シアター上野が八箇月の営業停止処分を受ける。公然猥褻であるという。何が猥褻で何をもって公然であるか。ストリップ劇場という言葉の意味をどう考えるべきか。これはコロナの所為ではなく、ひょっとするとオリンピックの所為かも知れないけれど、コロナは、世の中に当然にあるべきと思っていたものが唐突に禁止されうると我々に突きつけた。例えば健康を理由にタバコが禁止された。コロナを理由に酒が禁止された。
続けようと、守ろうと、そうしなければ続かないと、やがて禁じられてしまう、いつしか消えてしまう。そういうことに気付かされ、恐れおののき、であるからこそ続いてることの尊さを噛みしめる一年であった。
合計で399回。なお、劇場への訪問回数(日数)の集計なので、ステージの回数(演目数)ではありません。
踊り子 | 回数 |
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鈴木千里 | 23回 |
上野綾 | 20回 |
ゆきな | 16回 |
榎本らん | 15回 |
大見はるか | 15回 |
涼宮ましろ | 12回 |
水元ゆうな | 11回 |
前田のの | 11回 |
椎名ほのか | 10回 |
伊東紅蘭 | 9回 |
坂上友香 | 8回 |
桜庭うれあ | 8回 |
小宮山せりな | 8回 |
西園寺瞳 | 8回 |
川越ゆい | 8回 |
木葉ちひろ | 8回 |
あらきまい | 7回 |
ひなた鈴 | 7回 |
松本なな | 7回 |
中条彩乃 | 7回 |
夢乃うさぎ | 7回 |
ALLIY | 6回 |
mico | 6回 |
早乙女らぶ | 6回 |
椿りんね | 6回 |
宇野莉緒 | 5回 |
工藤リナ | 5回 |
佐々木ひなこ | 5回 |
真白希実 | 5回 |
星崎琴音 | 5回 |
青山ゆい | 5回 |
沢村れいか | 5回 |
MINAMI | 4回 |
ののか | 4回 |
須王愛 | 4回 |
浅葱アゲハ | 4回 |
南まゆ | 4回 |
虹歩 | 4回 |
浜崎るり | 4回 |
有沢りさ | 4回 |
笠木いちか | 3回 |
熊野あゆ | 3回 |
白石さやか | 3回 |
緑アキ | 3回 |
KAERA | 2回 |
愛あられ | 2回 |
宇佐美なつ | 2回 |
原美織 | 2回 |
紗蘭 | 2回 |
小春 | 2回 |
川菜ひかる | 2回 |
川上奈々美 | 2回 |
早瀬ありす | 2回 |
徳永しおり | 2回 |
楓彩 | 2回 |
蜜マリア | 2回 |
友坂麗 | 2回 |
翼裕香 | 2回 |
鈴香音色 | 2回 |
藤川菜緒 | 2回 |
希望あや/望海あや | 2回 |
RiN | 1回 |
RISA | 1回 |
うららか麗 | 1回 |
くるる | 1回 |
ささきさち | 1回 |
みおり舞 | 1回 |
愛奈 | 1回 |
葵マコ | 1回 |
飴戸ぐみ | 1回 |
永瀬ゆら | 1回 |
蟹江りん | 1回 |
玉 | 1回 |
栗鳥巣 | 1回 |
御幸奈々 | 1回 |
倖田李梨 | 1回 |
広瀬あいみ | 1回 |
高橋美佳 | 1回 |
沙羅 | 1回 |
三村妃 | 1回 |
山口桃華 | 1回 |
漆葉さら | 1回 |
神崎雪乃 | 1回 |
水咲カレン | 1回 |
瀬能優 | 1回 |
星愛美 | 1回 |
星乃結子 | 1回 |
浅井ひなみ | 1回 |
前田あこ | 1回 |
丹雫ひよ | 1回 |
竹宮あん | 1回 |
萩尾のばら | 1回 |
武藤つぐみ | 1回 |
望月きらら | 1回 |
牧瀬茜 | 1回 |
有馬美里 | 1回 |
埃 | 1回 |
翔田真央 | 1回 |
今年も鈴木千里さんが一番多かった。例年通り遠征は鈴木千里さんを中心に組み立てたので当然の結果かも知れない。そして今年も東洋をよく見に行ったので、必然として同劇場に出演する方の回数が増えている。
鈴木千里さんには、一月の東洋を皮切りに、十二周年週の横浜、そして新宿、浅草、渋谷、川崎と各所にて見ることができた。その余りに美しくなめらかな動きに、人であることを忘れがちであるけれど、そのふとした瞬間に、ああやっぱり人間だと思わされ、だからこそ人がこれほどに綺麗に舞うことに感動させられる。
そのステージは、体の細さも相まって、まるで重力などないかのように軽やかである。だけど今は、神でも仮想でもなく、この目の前に現に体重を持って存在し、この世に我々と同じ人間として生きていることを知っている。
生きるということは楽しいことばかりじゃない、美しいことばかりじゃない。時に悲しく辛く、人に騙され怒られて、或いは汚く泣きぬれて、生きるために汗をかいては手垢のついた紙幣を握りしめることもある。鈴木千里は美しく軽やかに舞い、美術品のように綺麗に飾られているけれど、確かに人間として生きているのだ。そのことをまざまざと見せつけられて思い違いを正されたように思う。同時に、だからこそ生きている人間がここまで華麗に踊ることに感動するのである。
小宮山せりなさんは、東洋、渋谷、東寺で見ることができた。やはり東寺でみる小宮山さんは一味違う。高さを生かした空中演目は、広島のなくなった今、東寺でしか見ることができないであろう。力強さと可憐さ、そして場内を巻き込んでの盛り上がり。これこそ令和のストリップだと主張する。
夢乃うさぎさんは、丁寧なダンスと独特な表情が魅力的。つまり夢乃さんは可愛い。夢乃さんは色っぽい。そして夢乃さんのステージには夢がある。儚げに見えて芯が強く、自分を持っているからこそまた儚く見える。イベントでの司会でも見事にこなしてその声にもまた触れたい所。
沢村れいかさんを初めて見たのは一昨年の川崎みたいだが、実はそのときの印象は余り残っていない。去年の四月、広島。初の緊急事態宣言が出される直前、がらがらの場内で見たのは鈴木千里さんとのチームショー。どうなるか分からぬ不安な世界で、バカみたいに楽しくて、そして鈴木さんの沢村さんを見つめる姿がひどく優しげで。
東寺で見たソロ演目はまさに全身全霊。それは見事なステージで、魂が叫んでいるようで……圧倒。泣きそうになる。その沢村さんが十一月をもって引退。十年間お疲れさまでした。
引退は寂しい。もちろん寂しいし、もう見ることができないと思うと残念である。しかしそれで残念に思うぐらいならば、現役である内に精一杯に見ておくべき。そんなことは分かっている。分かっているけれど、だからといって限界はあるし、限界を越えたとしてもいつしか引退は来る。中には引退と公言することもなく、いつしか出演しなくなることもある。結局今年一度も出演しなかった目黒あいらさんのように……。
その他、今年も多くの踊り子に出会い、趣向を凝らしたステージを見ることができた。
ステージは一期一会。二度と同じステージはない。だとしても踊り子さんは年中、各地の劇場で踊っている。すべてを見ることは勿論できないけれど、望めばその片鱗を味わうことができる。それは何と恵まれていて幸せなことだろうか。それも皆、そこで踊り続ける踊り子さんのお陰に他ならない。
きっと彼女らは、踊り、踊り続けて、踊りで魅了したいと思い続ける。ならばせめて我々もそれを見て、見続けて、魅了され続けて応援しなければならない。
来年、再来年と、サステナブルな劇場ライフが続くことを。
今年はストリップ劇場以外でも踊り子さんの出演するイベントに顔を出してみた。
三月にはファイヤー・ヨーコさんの伝説の技の数々を見ることができ、往年のストリップの雰囲気を垣間見た。凄い技だ。もはや武術演舞を見ている気迫。こういう昭和の空気も嫌いじゃないと思いつつ、今の劇場が如何に洗練され進化してきたかとも思う。
十一月のイベントでは引退した三名が出演するイベントへ。渚あおいさん、北川れんさん、あすかみみさん。もう二度と見ることができないと思っていた彼女らのステージは今も健在で。その間に出会ったステージの数々を心によぎりながらも、その輝きに触れる。引退した今も輝き続けていて、かっこよくて、躍動感に富んでいて。涙が溢れてくる。
制作・著作/香倉外骨
2021/12/31初出
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