トップページ / されど我が詩集

下界

灰色の雲が空を覆う日
真夏の真っ青な空を望む
透き通る瞳の空を

そうだった
あの頃は体も幼かった
汚れを知らぬ子供だった

時を食う内に
幼さを隠す幼さがはびこった
透き通る幼さは消え
灰色の幼さがはびこった

雲が空を覆い尽くして
大雨の降る地へと変わる
雲が雲を呼び
明日の来ない日を呼ぶ

香倉外骨(1996/05/28)

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