夏という季節が
こんなにも涼しかったとしても
陽光に奪われる体力は
やはり小さくない
たかが二三度の違いが
人を楽しくし
あるいは
人を沈ませる
だとしたら空は
一年中青いのも
分かる気がする
夢という言葉がいつから美しい物を指すようになったのだろう
私の見る夢には綺麗な物から汚い物まで
純粋な物から不純な物まで
欲望の表出でしか無いそれに
未来への希望を重ねる行為自体に
少しずつ罪の意識を増やしながら私は気付くのである
空が一年中青いという事を
男性の裸体に思わず興奮を覚えてしまうのは
私が病んでいるからだろうか
もうこの世から逃げ出してしまいたいのは
私が弱いからだろうか
助けてと叫んだ声が嵐の音に掻き消され
後には平穏だけが残って
嵐の中の叫びには誰にも気付かなかったまま終わってしまうのだろう
青い空がずっと続くなどという嘘を信じながら
香倉外骨(2003/08/31)