トップページ / されど我が詩集

退職願

走り慣れた道
前を行く車の
テールランプを眺めながら
まぶしい夕日に
光る山並み
道ばたの枯れ草

北風が吹きすさぶように
人間関係も冷たくなってしまえば

この願いを
人に託すことができるのなら

残り少ないガソリンに
不安を感じつつ走り続けるよりも
気付いた時に補給しておけば
ずっと安心なはずだった

薄暗くなった路面が
赤く光り出す
幸か不幸か
遠回りした分だけ
渋滞を避けて通れたようだ

香倉外骨(2003/12/07)

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