トップページ / されど我が詩集

望遠鏡

そなたの口を
色にするならそれは白
どうせ得られぬ唇ならば
死体にキスする方が増し

そなたの胸を
花にするならそれは赤
豊かに見える丘の先には
一面に咲く彼岸花

そなたの夢を
風にするならつむじ風
人寄せ付けぬ眼光ありて
時に寒さに不安あり

そして得られる
記憶の終わりに
最後に書き込む
一文字は

香倉外骨(2002/02/06)

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