トップページ / されど我が詩集

幻想

朝露の八十年の命では
とても命を尽くせぬと
笑ってしまった寒空に
道の汚れを気にしても
進むことには変わりなく
残りいくらか気にしては
さもしく金を勘定し
人との付き合い避けるのも
なるべく静かに暮らすため
これじゃとてもじゃないが
世間に通ずる訳も無く
遂は一人で朽ちてしまうと
そんなことを考えながら
眠れぬ床で思うこと
眠れぬ夜に思うこと

香倉外骨(2002/11/09)

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