トップページ / されど我が詩集

風鈴

独りじゃないと確かめながら
恋人の暖かな体を抱きしめたら
初めて安らぎを感ずるのかも知れない
だけど僕には恋人なんて居ない

二人きりに楽しく歩きながら
触れてしまいたい衝動を抑えたら
初めて素直な言葉で話を出来るだろう
だけど僕はいつも一人だった

面倒くさかった
ずっと白けていた
きっと怖かった

独りで生きると確信しながら
なおも恋々と闇夜に慕い続けるは
人妻となった君のその唇である
だから僕には恋人なんて居ない

香倉外骨(2004/12/19)

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